人時売上を活用すれば利益拡大ができる!

人時売上高って?人と時間と売上?

店舗経営の一つの指標として「人時売上高」というものがあります。

利益を追求する場合はもちろんですが、お客様目線に立つ場合にも参考にできる数字ですので今回はその算出方法と見るべき視点についてお伝えしたいと思います。

目次

「人時売上高」とは?

店舗運営をしていて、日々集計している数字は店舗ごとに違うかと思います。

そんな中でも確実にとっている『売上』

これを『労働時間』で割ったものが「人時売上高」です。

人時売上高 = 売上 ÷ 総労働時間

例えば1日の売上が 10万円

労働時間が時間であった場合

100,000 ÷ 25 = 4,000

となり、人時売上高は4000円です。

ちなみに似たような数字で「人時生産性と言うものがありますが

こちらは 粗利 ÷ 総労働時間 で算出できます。

「◯ ◯生産性」という数字はいくつかありますが、基本的には『粗利』÷『 ◯ ◯ 』で算出するものです。

飲食店の場合は原価も入る「人時売上高」を利用した方がいいでしょう。

この数字は従業員の労働時間1時間あたりにいくらの売上をあげているかを指しています。

まずはシフト作成に活かしましょう

前項で述べたとおり「人時売上高」は売上÷客数という結果の数字です。

これをシフト作成に利用するとはどういうことか。

シフト作成をする日というのはあらかじめ予算(目標売上)があるかと思います。

その目標売上に目標人時売上高を割って総労働時間を算出します。

例えば売上目標が20万円の日に「人時売上高」を5000円と設定すると

20万 ÷ 5000 = 40

となり、その日の総労働時間は40時間でシフトを作成しましょうとなります。

感覚的にシフト作成していると「人時売上高」はただの結果にすぎませんが

シフト作成をこのように計画性をもって引くことにより「人時売上高」が成果になります。

利益の捻出に活かしましょう

「人時売上高」の指すものはわかったかと思います。

では、「人時売上高」の基準値はどこにあるのでしょうか。

飲食店はさまざまな業態でさまざまな営業時間があり基準がわかり辛いかと思います。

しかし、これをベースにして日々の積み重ねが月間の損益に繋がることを考えると

月間で4500円 から 6000円 を基準に検討するとよいと思います。

実際に算出してみるとわかると思いますが

高単価で営業時間が短い店舗は比較的数字を出しやすく

低単価で営業時間が長い所ほど出し辛い傾向があります。

その要因は客数によるもので、客数が多い=対応する人員が必要となるからです。

自店の基準がわからない場合はまず月間5000円を目安にされるといいでしょう。

ちなみに週間で考えた場合、曜日ごとに売上の変動がある店舗は多いと思います。

例えば金曜日と土曜日が他の曜日より売上が高い場合

その他の曜日の目標「人時売上高」を4500円に設定し

金、土曜日を5700円に設定して、週平均を5000円にするとシフトも引きやすいと思います。

飲食店における経費は主に人件費と原価が多くを占めます。

その人件費を適正化するためにも「人時売上高」は重要な指標として活用しましょう。

人件費と原価の指標としてFLコストというものもありますが、これはまた別の回で解説したいと思います。

高すぎる数字は逆に危険がある可能性も

前項では5000円を基準にと述べましたが、これが7000円になればもっと利益が出るのでは?

と思う方もいると思います。

高すぎる数字はメリットもありますがそのデメリットも考慮しなければなりません。

よくあるものでは

利益は大きくなるが、お客様満足度、従業員満足度は下がっていないか。です。

客数や客単価が変わったわけではないのに労働時間が減っているというのは、単純に従業員1人あたりの負担が増えているとも捉えられます。

元々「人時売上高」が3000円で、5000円になったのであれば効率化ができた。とも捉えられますが

5000円を超えたあたりから負担は増え、従業員の能力が高くても6000円を超えてきたらまずは負担や取りこぼしを疑って分析した方がいいでしょう。

これを続けてしまうと、従業員が辞めてしまう、徐々に客足が減ってきてしまうなど長期的弊害が出る可能性があるため、一時的な高い利益に惑わされずにしっかり分析しましょう。

自店に見合った数字を模索しましょう

店舗によって基準値が変わるのは当然なのですが

昨今では高単価店でも効率の追求を行なっていたり、低単価店でも接客の質を追求している店舗は多々あります。

また、お客様も高単価店で料理提供のスピードを求めたり、低単価店でもクオリティを求めます。

自店のお客様が何を求めているのかを知ることも大事ですし

効率化は調理で行うのか、ホール従業員の配置で行うのかを検討することも大事です。

どの店舗でもまずは利益を捻出することが第一だと思いますので

「人時売上高」が4000円でも十分な利益を出せると判断したのであれば

そこで使える時間を有効に活用するというのも立派な運営策だと思います。

逆に家賃が高いなどの理由でもっと効率化を図らないと利益が出せないのであれば効率化を検討します。今で言えばオーダー受付やドリンク提供、会計まで手軽にセルフ化できる時代ですので検討してみてもいいかと思います。

ここでもっともやってはいけないことは、自分の労働時間を計上しないで見栄えをよくすることです。

単純に自分が5時間タイムカード計上せずに労働すれば5時間分「人時売上高」が上がります。

ただ、これをやっても社員は固定給なので利益には何の変動も起きません。

単に「人時売上高」の数字が見た目だけ良くなるに過ぎないので絶対にやめましょう。

正確に「人時売上高」を出し、結果数字が他店よりも低いのであれば

それを素直に受け止め、他店ではどのような目標設定でシフト組みをしているんだろう

どのような効率的なオペレーションを行なっているんだろうと調べること、それを自店に取り入れること

これが大事です。これが自身の成長となり経験となります

表面的に取り繕うのは自分の成長のチャンスも潰してしまうため、これをやっている方がいればすぐに辞めることをお勧めいたします。

「人時売上高」は飲食店において重要な指標であることは間違いありません。

ただ、高ければいい、低ければダメというのは安直には言えないということは覚えておいてください。

あくまで目標は利益の捻出であると思います。そこに至る一つのプロセスとして適正な「人時売上高」を算出、分析することで、店舗運営の経験値をあげていっていただきたいと思います。

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