東京都世田谷区で飲食店様の開業、経営サポートをさせていただいております、株式会社ヒューリンクです。本日は、出店希望のお客様のターゲッティングに関してどのようにしていくべきかをお伝えしたいと思います。
何のためにターゲティングをするのか
最近では店舗を開業しようとするほとんどお客様がターゲットを想定されています。この傾向はネット、特にSNSの発展によるものなのだと思います。以前は今ほど明確にターゲットを作って開業される方は少なかった印象です。
飲食店を開業されるお客様で一番苦労されるのはやはり『集客』です。「うちのお店は一度食べて貰えばお客様に気に入ってもらえる。」という声をよく聞きますが、その一度食べてもらうための集客を開業してから苦労される方を多く拝見してきました。
そうならないためにも最初にターゲットを絞り、そのターゲットに向けた店構えや看板などの店頭告知、SNSの配信、HPの作成など行うことで店舗を知ってもらい来店していただくことに繋げます。
この時にターゲットを絞らない発信をした場合、よく言えば万人向けなのですが、悪く言えば誰にも響かない場合もあります。より多くのお客様に来店していただきたいという気持ちは誰もが持っていると思いますが、まずは特に来店していただきたいお客様に向けて店舗の情報を発信し、確実に良い評価をいただくことで他のターゲット層にも興味を持ってもらいやすくしていくと結果的には効率よくお客様を増やすことができます。
最近メディアで取り上げられる「焼肉ライク」さんですが、皆さんのイメージはどうでしょうか?恐らくほとんどの方が一人焼肉をイメージされると思います。しかし、焼肉ライクさんにはちゃんとテーブル席が用意されている店舗もあり、家族連れのお客様も多く見られます。しかし焼肉ライクさんは「一人焼肉」に絞ったPRをすることでまずは店舗の存在を知ってもらっているのです。
ターゲットを絞り込めていますか?
よくターゲットのお話をすると「20代の女性」とか「3、40代独身のサラリーマン」のような回答があります。
年齢や性別のカテゴリで分けている方が圧倒的多数です。
これが悪いわけではありませんが、当社ではこれだけでは足りないと思っています。
例えばスパイスカレーのお店を出したいというお客様の場合、「2、30代のOL」をターゲットとされたとします。
こうした場合多いのはスパイスへのこだわりと凝った盛り付け、おしゃれな内装をイメージされる方が圧倒的に多いです。
しかし、このようなイメージをそのまま提供するお店ってすでにたくさんありませんか?
すでにたくさんあるということは、その時点でこのお店にわざわざ交通費を払って行く人はほとんどいないと考えるべきでしょう。
また、おしゃれなお店に行きたいというだけのお客様であればスパイスカレーでなくてもよくなってしまいます。つまりカフェなども競合店舗になってしまうということです。
この年齢、性別だけでターゲットを絞るというのは実はターゲッティングの入り口にすぎないのです。
ターゲットをさらに絞る
では、さらに絞るとはどのように行うと良いのでしょうか。
まずは提供したい商品をどのように認知されているお客様に対して行うかという部分になります。
スパイスカレーで言えば現状でどのようにスパイスカレーを認知されているお客様なのかという部分になります。
例えばスパイスカレーを名前くらいしか知らないけど興味はあるというお客様がターゲットの場合はどのように伝えたら良いでしょうか?このようなターゲットの場合はまずスパイスの種類やその効果、どのような味なのかなどを伝える必要があるかと思います。
また、自店舗に来店はしたことないけどスパイスカレーは好きだよというお客様がターゲットなのであれば自店舗のこだわりや他店舗と差別化されている部分、店主様が開業したいと思ったこれまでのストーリーなどをアピールすると思います。
すでに自店舗に来店されたことのあるお客様はすでにお店の味を知っているので新商品やキャンペーンなどの再来店につながるような情報やスパイスの効能を深掘りした情報を発信するかと思います。
このように年齢、性別だけではなくどのような認知のお客様に来て欲しいのかを絞り込むことでアプローチの方法は全く違ったものに変わります。
絞り込むのは大変だと思う方もいらっしゃいますが、絞り込むことでよりアプローチの方法を考えやすくもなりますので頑張りましょう!
絞り込んだお客様が何を求めているのかを考える
前項で絞り込んだお客様は何を求めて来店してくださっているのでしょうか。
当然、スパイスカレーを食べること。がほとんどだと考えるでしょう。
もちろんそれがほとんどであれば見た目がよく美味しいスパイスカレーを提供することがお店の使命となります。
しかし、すべてのお客様が飲食店に行く=その店舗の商品を食べる
ではないのです。もちろん飲食店で求められる絶対的なものは『おいしさ』です。
しかし、よく観察するとそれだけではないことも理解していただけるかと思います。
例えば牛丼屋の場合、ランチタイムにお客様は美味しさを求めるお客様だけが来店しているでしょうか。そんなことはなく、牛丼屋に求めていることは『提供スピード』であることは想像していただけると思います。
また、おしゃれなカフェの場合はどうでしょうか、この場合いくつか考えられますね。その店舗でコーヒーを飲んでいるというステータスであったり、ちょっと仕事をしたいのでパソコンを使用し易い環境であったり、憩いの時間を過ごしたいのでその空間であったり。
営業しているとご来店されたお客様は皆店舗の料理の『おいしさ』を求めてきていると思いたいですが、それだけではないということを念頭に置いて、「では、どのような目的で来店してくれたのだろう」とお客様を観察し、逆に来店していただいたお客様の要望を取り入れた店舗作りをすることでお客様の満足度を上げることもできます。
店舗は開業されたオーナー様がやりたいことをやってお客様がついてくる方がいいに決まっていますが、現実的に飲食店の廃業率は1年で35%、3年で50%とも言われています。こうならないお手伝いを当社ではさせていただいておりますが、そのためにはお客様の意見を取り入れ、お客様に愛される店舗を作ることも店舗を長く存続させるためには必要であるとご理解いただけるとありがたく思います。
いかがでしたでしょうか。ターゲットをしっかりと絞り、そのお客様にアピールすることで徐々にお客様を拡大していくことが結果的にはより多くのお客様に店舗を知ってもらう近道にもなり得ます。
当社ではお客様の店舗の開業支援はもちろん、経営の安定化や集客のお手伝いなど幅広くサポートさせていただいております。店舗に関して気になることなどございましたらお気軽にお問い合わせいただけると幸いです。
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