東京都世田谷区で飲食店の開業、経営のサポートをさせていただいている株式会社ヒューリンクと申します。
今回は、個店での販促イベント活動についてお伝えしようと思います。
店舗運営において、新規のお客様の発掘や既存のお客様のリピート率を上げるためにキャンペーンやイベント、新商品開発などは欠かせないものであると思います。
ただ、こういったことはどの店でも実施しているものであり、長く営業していると効果測定をせずになんとなくやっているものも多いのではないでしょうか。例えば夏に冷やし中華を販売するとか、クリスマス時期にチキンを押し出すとか。
店舗がイベントの目的をしっかり設定しなければ、お客様も自店を選んでもらう理由は「たまたま」になってしまうので、定番は定番で残しつつ自店の特性に合わせたキャンペーンなど検討すると他店との差別化ができることでより効果的にお客様にも喜んでもらえるでしょう。
まず計画を立てましょう
何かをやろうと思う時はまずそのプランと成功しているイメージが思い浮かぶと思います。失敗イメージがあるものをやろうなんて思わないですよね。
その成功イメージを大切にしてください。
プランは練り上げればいくらでも変更可能ですが、いいイメージというのはずっと持ち続けることでその計画の推進力となります。
計画はとにかく実施をするために最低限やらなくてはいけないことを箇条書き程度でも構わないので書き出します。
ここであまり細部まで作り込んでしまうとそれだけで時間を割き、準備段階でもまた時間を割き、実施までの時間がどんどん遅れてしまいます。
良いイメージに最短で到達することをポジティブに考えるといいでしょう。
準備は慎重に
計画が立てられたら次に準備となります。
準備は計画とは違い少し慎重になる必要があるでしょう。
例えば、キャンペーンならばその適用条件は?何を利用していつから告知するのか?実施期間は?時間帯の制限は?各従業員に何を担当してもらう?費用はどのくらい?何をもって成功とするのか?などです。
これができていないと認知されないことはもちろん、認知していただいたお客様にもキャンペーン内容の誤解を招いてしまったり、最悪せっかく来ていただいたのに揉めて二度と来店してもらえなくなってしまいます。
また、告知がしっかりできていなければ、その効果はキャンペーン関係なくたまたま来店されたお客様に適用するというあまり意味のないものになってしまいます。
何より効果測定ができませんから準備段階は慎重に、詳細に行いましょう。
実施時はとにかく前向きに
準備が完了したら実施となりますが、ここではまたポジティブにいきましょう。
「これだけ準備したら大丈夫だ」とか「早くお客様を喜ばせたい」など自信を持って迎え入れる体制にします。
もちろん実施していく中で何かしら問題が起こることもあるでしょうが、そこは真摯に対応し次回のキャンペーン成功のための経験と捉えましょう。
イベント活動を続ける意味
実施をしたらその効果を分析します。
成功もあるし失敗もあるのは当然です。
どんな大企業でも100発100中なんてことはありません。失敗を繰り返した先に成功があると言っても過言ではないでしょう。
大事なのは『実施する』ということです。
この店色々やってるなとお客様に認識していただけるということは店舗の強みになります。それはお客様が自店を意識しているということだからです。人は徐々に忘れる生き物ですから大企業でも大きな費用を投じてTVCMなどの広告を打ち続けます。そんなことができない店舗は店前を定期的に通るお客様にアピールすることでその広告効果を発揮させます。
来店には至らないキャンペーンが5回続いたとしても5回見てもらうことはお店の存在を忘れないでもらうという効果があるのです。また、6回目には来店してくれたとあれば、それも過去5回のキャンペーンを打っていたものの効果が0ではないと思います。
とはいえ1回の実施にも費用や時間を割いているのですから効果測定が必要です。実行した事に対して実行前と実行中でお店の数字にどのような変化があったのかを調べます。
分析はとても大切で何も起こらなかったからもうやらないとなってしまわないようにしっかり行いましょう。もう一度書きますが大事なことは『実施すること』です。
失敗と判断した時に考えること
一発目から成果が得られればいいのですがなかなかそうもいきません。
お伝えしたように、失敗もあり成功もあるのが当たり前。
最初にイメージした成功の様子とかけ離れた場合どのように考えるのが良いでしょう。
まずはしっかりと分析をするべきです。
店舗の数字にどのような変化があったのか
例えば対象商品を半額にすることでその商品の販売数を3倍にしようという目標であった。しかし、蓋を開けてみれば1.5倍に止まってしまい、その商品の利益だけ見れば赤字。という場合。
単純にこれならただ安売りしただけだしやらなきゃよかったよ。と思ってしまうかもしれません。
しかし、キャンペーン実施で目標には至らなかったけど1.5倍の販売数が出た!もっと告知の方法を変えてお客様に浸透させていたらできたかもしれない!ちょっと盛り付けを変えて見栄えをよくしたらお客様におすすめしやすくなるかも!対象商品を違うものにしていたら一組一品じゃなく一人一品頼んでもらえたかも!初めてご来店のお客様が多かったので今後の来店数にも変化があるかも!
など、失敗からネガティブな数字の表面だけを汲み取るのではなく、どのようにしていたらよかったのか、次はどうするべきかなどを検討するべきです。
一番やってはいけないのは失敗を何かのせいにしてしまうことです。
スタッフさんが考えてくれたキャンペーンが失敗であった場合、君の考えたキャンペーンは目標に全然届かなかったよ。と言ってしまうとどうなるでしょうか。
そのスタッフさんは次こそは!と頑張ってより素晴らしいプランを打ち出す?中にはいるかもしれませんがそんな人はなかなかいないでしょう。むしろやる気を削いでしまう方が現実的です。では、それを言ったところで結果は変わるか?変わりませんよね。
要はこれを口にすることで伝えた人は多少のストレスの捌け口となるかもしれませんがそれ以外はマイナスの要素しかありません。
では、どうするべきか、キャンペーンは目標には至らなかったけど実施前より1.5倍も売れたよ!計画してくれてありがとう!次はまた思いついたことがあったらぜひ提案して!次こそは目標達成しよう!です。
そうすると、スタッフもどんどんアイデアを提供してくれるでしょう。もちろんクオリティも上げてくれます。また、意欲が上がればこちらもより突っ込んだ話ができるようになり、経費など店舗の事情を踏まえた案を出してくれることもあります。
繰り返しになりますが、失敗の先に成功があります。また、まず実施をしなければ失敗も成功もありません。成功もいらないから何もやらないというのも一つの手段ではありますが、何もしないでいても売上は徐々に下がる傾向が多々あります。徐々に下がる売上というのは気付きづらく、それを認めた時には手遅れで慌てて何かを実施しても焦って準備を怠ってしまうので成功の確率が下がり、結局キャンペーンの効果が得られても利益に反映されないような投げ売り捨身のキャンペーンしかできなくなる、なんて店をいくつも見てきました。
やらない理由を作るのは自分自身
店舗のアクションの重要性をお伝えしてきましたが、実際それでも実施に至らない店舗が多いのは現実です。
その要因の多くは「面倒だから」です。
人は、何かやろうかなと思うときの原動力はそれを実施したことによって得られる達成感や幸福感です。
逆にやらないに至る原因は面倒になってしまうということです。
例えば、インターネット上で何かの会員登録をするとそこからメールマガジンが定期的に届くことがあると思います。メールマガジンは不要なのですが、ほとんどの方はそれを解約しません。それはなぜか「面倒だから」です。
こういった心理を利用しているのが昨今増えているサブスクリプションビジネスです。あれの解約ページにたどり着くまでの複雑な構成はこういった心理を見越したものです。
なので、最初にお伝えしたように最初に持った成功のイメージを大切にし、そこに至るプランを手早く進めることで実施にこぎ着けると結果的には成功体験を得られる可能性を上げることができます。
店長、オーナーさんがこれを実施する際にもっとも大事なことはこのポジティブな思考と成功イメージの共有でしょう。
コロナや物価上昇でそんなポジティブになれないという声も聞こえてきそうですが、あえて言うとこんな状況であるからこそポジティブな思考というのは価値があるということを認識していただきたいです。
当然ですよね。価値というのは希少性につくものですから、今元気がない社会でポジティブというものの価値は上がっています。少し極端な話をすれば、お客様にこのお店に来たら元気がもらえるというイメージを植え付けられたら・・・ものすごい強みになります。
キャンペーンなどを考える時は基本お客様と店舗のwinwinな関係で設計します。店舗のwinは大きい括りでは利益になると思います。お客様はと考える時、安さや美味しさだけではなく上記のように元気になれるなどもコンセプトに入れるといいかもしれませんね。
企画の立案や分析などやったことがないのでできる気がしないしやっぱり面倒だなとお考えでしたら是非一度当社までお気軽にご相談いただけると幸いです。はっきりとしたビジョンがなくても何となくこうなりたいといった理想に近づくためのお手伝いをさせていたきます。
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