飲食店におけるデータ収集・分析と目標設定のやり方徹底解説

データ収集は飲食店を経営していたらいくつかの項目は必ず行っているかと思います。

ただ、すでにとっているデータは何のために取っていますか?

と聞いた時に明確に答えられるものはいくつあるでしょうか。

また、FC店であれば、それなりに膨大な量のデータを収集しているかと思いますが、そのうちどれほどの項目を活用できているでしょうか。

FC店では『やらなければならない』ことかもしれませんがそうでない場合、どのようにデータを収集、分析してどのように活かすのかを解説していきたいと思います。

目次

データ収集、分析の目的

どの店舗でも「売上」「客数」「客単価」は集計していると思います。

これに付随する形で「曜日別」や「時間帯別」などを出せるようにもなっているでしょう。あとは「商品の販売数」などは多くの店舗が集計していると思いますしその集計目的も明確ですよね。

では、改めてデータ収集、分析をしたいと考える理由は何でしょうか?

恐らくそう考えるほとんどの方はこうなりたいと思う店舗の姿(目標)に対して現状の店舗の姿(結果)が剥離しているからではないでしょうか。

要は目標に対して起こしたアクションが結果として出てこない。原因は何かを知るためのツールとしてデータの収集、分析が必要であるということです。

アクションを起こしてこなかったよという場合はなぜこうなってしまったのか、何から手をつければいいのかを知るためのツールとして必要だと考えたのでしょう。

中にはデータなんてなくても経験と感覚で大体わかるよという方もいるかと思います。しかし、その経験と感覚で営業した結果が理想と剥離しているのが現状です。

飲食店を開業しようと思った時には失敗よりも成功のイメージが強い状況だったから開業に踏み切ったでしょう。ですから業績悪化の原因追求のためにデータを収集、分析することはポジティブなイメージを持ったままの自分を否定しかねないツールになるので手を出したくないという潜在的な意識もあるかと思います。

データ分析はそれまでやってきたことを否定するといった捉え方ではなく、現状をよりよくするためにはどうしたらいいのかを考えるためのツールと捉えてください。過去『こうすればよかった』ではなくこれから未来に向けて『こうして行こう!』を考えるツールなのです。

データ収集、分析の順序

データは何でも収集すればいいというものではありません。

なぜなら収集、分析には労力と時間を消費するからです。

また、なんでもかんでも収集してしまうと必要な数字が埋もれてしまったり、関係のない数字に引っ張られて間違ったアクションをとってしまう可能性も出てきます。

以下はデータの収集、分析の手順となります。

  1. 目標を明確に意識する
  2. 原因に対する仮説を立てる
  3. 仮説立証するために必要なデータが何か、どのようなフォーマットがいいか検討する
  4. データを収集する
  5. データを分析する
  6. 分析の結果、出てきた課題を列挙し、優先順位付けする

1はまずこれがなければデータ収集、分析しようという思考に至ることはないと思います。

何となくとったデータは何にも活かされず、ただただ無駄な作業に陥ってしまいます。目標を明確にするからこそ必要なデータが何かも見えてきます。

2は目標に対してランダムにデータ収集をしないためにも必要な行動です。

仮説は必ずしも正しくなくていいです。ある程度絞り込む必要はありますが、仮説に対して別の結果が出たとしてもそこに対してのアプローチを考えればいいわけです。

逆にあくまで仮説であるのにデータ収集、分析時に都合よく切り取った結果を無理やり立証してる風に仕立ててしまうことのないようにしてください。

3もある程度収集するデータを絞り込むための過程です。

絞り込む目的は言うまでもなく労力、時間の削減です。ただ、ここで考えるべきは、それだけではなく、そのフォーマットで収集できるデータが他にもないか。です。

当然ですが、同一フォーマットで多数のデータ収集ができればとても効率がいいですよね。その場合、現時点で不要なデータであっても気にしないでいいですしそこから何か見える可能性もなくはないと思います。

4、5でデータを収集し、仮説が正しかったのか、他の要員があったのかをある程度見定めます。

収集するデータは数字や文字で構いませんが、人に説明する時の説得力などを考慮すると、グラフ化などしやすくしておくことも大切です。

6、ここは一人で考えるよりも上記までのデータを元に仲間と共有してアクションプランを立てる方がいい結果を出しやすいかと思います。

分析結果に対する視点は1つよりも2つ、2つより3つがいいに決まっています。一人で考える場合は多角的に判断するように意識しましょう。

ここで疑問を持つ方もいるかと思います。

それは、データ収集が4番目にあるという点。データ収集は日々行なった方がいいのではないかと思われる方が多いと思います。

FC店のようにPOSレジが導入されている店舗はある程度オートマチックにデータが蓄積されているのでそれで構わないでしょう。しかしそうでない店舗の場合はいつ、どのタイミングでどのような問題が発生するかわかりません。ですからそれを先回り予測してデータを収集し続けようと思うと日々の労力はかなり増加してしまいます。

そのため、データとして残しておくというよりは遡って調べることができる状態にしておいた方がいいものとして

  • 売上
  • 客数
  • 客単価
  • 商品販売数
  • 労働時間
  • 仕入伝票

以上は用意しておくといいと思います。例えば労働時間であれば、日々集計するのではなくタイムカードを取っておくだけでいいです。

収集を先に行っても目的が明確でない場合、そのデータの活かし方がわからなければ下手したらそのための労力、時間が無駄になることもあります。

日々データを収集した方がいい方ももちろんいます。それは、目標を持っていない、問題があるのはわかるが何が原因かわからない、仮説を立てられない方です。そういった方はデータを収集し、グラフや表で日々の変動を見える化することで問題点を発見できる可能性が上がるでしょう。

一つの数字を動かすと付随して変わる数字がある

例えば、売上を10%上げるが目標。アクションはキャンペーンを打って客数を稼ぐ。です。

現状月間客数が1000人、客単価3千円で売上が300万円だとします。キャンペーンで全品30%オフを打つ。結果、客数が1.5倍の1500人になりました。

これだと失敗です

答えは簡単、客数1500人に客単価2100円をかけると売上は315万円だからです。目標の330万円には至らないものの売上アップしたからいいとも取れますがキャンペーンを打った場合、終了後には反動が出る可能性を考慮しなければなりません。

また、キャンペーンは長引かせれば長引かせるほどその効果は薄まります。なので、目標額を1円でも下回ればそれは失敗で追加の策を要します。

ではどうすればいいか

キャンペーンを打つと決めた段階で明確な客数目標を設定しておく必要がありました。この場合で言えば1571人です。キリよく1580人や1600人としてもいいと思います。

そこに向かってキャンペーン30%オフを武器にマーケティングを行う必要があったのです。この客数目標を見える化しておかないと中には100人200人上がっただけで成功のように思ってしまう人もいるでしょう。

客数を上げる→売上が上がる→利益が上がるという理想を描くのならそこに付随して動く数字も計算しなければなりません。客数を上げるためのCP告知は広告費、客数が増えた場合のオペレーション維持のための人件費、CPの値引きは原価、細かいことを言えば光熱費など、変化を伴う数字は多岐に渡ります。

そのため目標達成をしなければこのCP実施に使った費用や労力に見合う利益は得られない場合が出てきてしまう可能性もあるので目標は適当に設定せず、必要な数字とそれを実現できる行動計画を立てましょう

データは取ったら終わりではない

最後になりますが、仮説の立証に使用したデータはそこで終わりではありません。

立証後に起こしたアクションでその数字がどのように変化したのかを見るためにも取り続ける必要があります。その為、最初の段階である程度絞り込んだ方がいいのです。

あっちもこっちも毎日データを取り続けるというのは大変だし変化に対して鈍感化してしまう原因にもなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

データ収集、分析は店舗において今まで気づかなかった課題に気づける非常に有用なツールです。

しかし、使い方を間違えれば労力、時間を浪費するだけの作業になってしまいます。闇雲に取るのではなく目標を立ててそこに進むために必要な、そして効率的な収集方法(フォーマット)を先によく検討することが大事です。

実際にどのような数字を取ったらいいのかなど疑問がありましたら当社にご相談いただければと思います。毎月限定ですが無料でご相談を承っておりますのでお気軽にどうぞ。

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