これがない店舗は潰れてしまいます!

東京都世田谷区で飲食店の開業、経営のコンサルティングをしている株式会社ヒューリンクです。

今回はこの春コロナが5類に移行する方針で検討というニュースを持って今後の飲食業の変化についてお伝えしたいと思います。

目次

すでに倒産件数は700件以上

コロナ禍に入りすでに3年が経ち、飲食店経営の倒産件数は700件を超えています。もちろんこれはコロナの影響だけではなく原価高騰によるものもあるでしょうしそれ以外のものもあるでしょう。しかし3年に及ぶコロナ禍で顧客の生活スタイルが変化したことによる影響がその大半を占めていると思います。

では、コロナが5類に移行したからと言って2020年以前のように戻るのでしょうか。

これはあくまで予想ですが、私はNOであると思います。

多くの顧客の生活スタイルは元に戻らない

社内での飲み会などが定期的に行われていたとしても、進んで参加したかった人はそこまで多くはありません。それがコロナ禍で飲み会自体の数が減ってもう1年以上が経ちます。5類に移行したとしてもコロナが完全になくなったわけではない中で率先して参加したいと思っていない人からすれば格好の断り文句ができるわけです。

例えば、「ちょっと熱っぽい(咳が出ている)ので」などがそれにあたります。コロナ以前ですとこの理由では欠席理由にならなかった方も多いのではないでしょうか。現在はどうでしょう、この理由で強引に参加させたら問題になる可能性があります。つまり、元々飲み会が好きな人は既に戻ってきているが5類に移行したからといってこれ以上増えてくる可能性は高くないということです。

また、ウーバーイーツなど宅配の台頭やテイクアウト需要の拡大により減少した客足や自炊や自宅で家族との時間に充てるようになった顧客も変化はあるでしょうが元通りになることはありません。

このようにコロナが5類に移行しても、3年の間に大きく変化を遂げた顧客のライフスタイルが更なる変化を急に起こすとは考え辛いものです。

店舗ではこの習慣を少しずつ変えてもらう努力が求められるのではないかと思います。

飲食店で新たな『価値』が求められる

飲食店で求められるものは一般的にQSCと言われています。

ただ、これだけですと顧客の習慣がコロナ前に戻ったらという限定条件がなければ売上は戻ることはありません。

習慣が変わっている以上、顧客の習慣に変化を与えることができるのはその店舗で過ごすことに対する「価値」が求められます。

今まで外食一択だった食事の時間が宅配、テイクアウト、自炊といった元々あったのに選択してこなかったものに取って代わられてしまったのです。宅配やテイクアウトは店舗数はもちろん、クオリティや手軽さがこの3年で急激に向上しました。

もちろんこの流れに乗るというのも一つの手段です。自店舗も宅配をやる、テイクアウトをやるは間違った選択ではないと思います。ただ、当然宅配やテイクアウトをやると利益は減りますし、店舗スペースの圧迫になるので家賃の無駄が出てきます。何より店舗で味わえるお客様の「美味しい」が見られなくなりますよね。

では、宅配やテイクアウトではできない店舗の優位性は何でしょうか。

その答えの1つは「コミュニティ」です。

お客様が来る理由を作る

お客様が「コミュニティ」の一員になることはイコール店舗に来店されることとなります。

もともと行きつけの飲み屋があるという人はこういったコミュニティに属していた人も多いでしょう。そのお客様も多くはこのコロナ禍でコミュニティが解散され、リセットされています。その中で新たなコミュニティを散策している方を自店舗のコミュニティに引き込める機会はそうそうあるものではありません。

これが今の飲食店で新たな顧客を取り込む大きなチャンスなんです。

お客様は食べることだけを目的にしているのであればたまたま来店するくらいしか利用機会はないでしょう。美味しいものを食べたいと思うのであれば食べログなどの評価点で決めるでしょう。コミュニティが面倒と思う人は自宅で食べるか大手チェーンのファストフードなどを選択するでしょう。

でもそうでない人も多いのです。

店舗は美味しい食事の提供だけではなく、そこで過ごす時間を楽しいものと感じてもらうこと、その時間を『価値』と感じてもらうことで新たな顧客を生み出せます。最低限の料理のクオリティは必要ですが、楽しい時間を提供できる「コミュニティ」の需要は高まるでしょう。

今の時代に毎日毎食美味しいものが食べたいと思っている人はそう多くありません。なんとなくコンビニで残っているお弁当からあるやつで一番無難なものを選んでいます。

外食にしてもどこに行ってもある程度のクオリティで価格も数百円で提供されているのでなんとなくのローテーションで店舗を選択します。

そんな中でも「あそこに行けば楽しい時間を過ごせる」という考えが顧客の選択肢に入ったらその代替はそうそうありません。つまりこれがお客様にとって自店『価値』であり、自店に足を運ぶ理由であり店舗の強みになります。

結局は人である

店舗は顧客同士を繋ぐ役割を担います。それがコミニュケーションです。接客業なのでこの役割が苦手という方は少ないと思いますが、まずお客様と会話をし、そしてお客様同士をつなげてコミュニティにする必要があります。

やり方はこうして書くと簡単ですが、やってみるとうまくいかないという場合もあるでしょう。

話しかけるタイミング、引っかかる話題作り、お店のレイアウト上の問題、求めているお客様と求めていないお客様の見極めなど、そして当然全てが1日でできるものではなく時間もかかるので根気も必要です。

店舗の従業員はお客様に提供するものが料理から『店舗の存在』に変わります。つまり、従業員に求めるものを料理や接客のクオリティからコミニュケーションに変化させる必要があります。なぜならこれができるのは人しかないからです。

従業員もコミュニティの一員ですのでこれが仕事になるということは仕事の時間を楽しむということにもつながります。楽しい時間を過ごせる仕事なら当然離職率も下がります。

『価値』とは希少性によって上がるものです。コロナ禍で規制されたコミニュケーションは間違いなくその『価値』を上げています。ビジネス上は対面が減少傾向になっていますが、それはそれで得られるものが時間だからです。リモートで短縮できた移動時間などの『価値』は互いに利益となるから定着します。しかしプライベートではその時間をどれだけ得るかよりもどのように有意義に使うかに『価値』があります。その『価値』を提供できる店舗がアフターコロナで生き残れる確率を上げる手段であることは間違いないでしょう。

店舗はまだまだ厳しい状況であることに変わりはありませんが、社会は変化をしており自店舗だけコロナ前に戻るというのはあり得ないというのだけは覚えておいた方がいいでしょう。今来てくれているお客様一人一人にまた来てもらう努力をその都度行える体制づくりをしてもらえたらと思います。

当社では開業のお手伝いはもちろん、既に開業されている店舗様の現状改善のお手伝いもさせていただいておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次