東京都で飲食店の開業、経営コンサルをしております、株式会社ヒューリンクです。
今回は失敗からの学びについてお伝えしたいと思います。
「人生に失敗した人の多くは、諦めた時に自分がどれほど成功に近づいていたか気づかなかった人だろう」
トーマスエジソンの言葉の通り失敗は成功に近づくための手段ではないでしょうか。
近年の飲食店ではお客様も上司もさらには世論も失敗を許さない風潮も見られますが、失敗を一度もしない人間なんていませんし、失敗を許さない風潮は見えない被害を生む可能性もあると考えております。
失敗をしたときにやってはいけないこと
失敗をしてしまった時、その人はまず何を思うでしょうか。
怒られてしまう、責任を取らされる、評価が下がる、などネガティブな思いが多いのではないでしょうか。人はネガティブな要素があると認識した瞬間、本能的に隠そうとする傾向があります。実はこれが最もやってはいけないことなのですが。
失敗を隠してしまうとその失敗の表面化が遅れてしまい、結局発覚してから時間が立っているために対策の選択肢が狭くなってしまいます。失敗直後であれば選べた最良の選択肢が選べない状況になってしまうとその失敗は単なる損失になってしまうので気をつけましょう。
また、隠していたことが発覚すると失敗の評価に加えて隠していたことについても評価を下げることにもつながります。
そして、外部にも影響を与える失敗の場合、表面化せずに無かったことにしてしまうと統制の取れていない店舗、企業であるという社会的な評価につながってしまいます。
こんな状況に陥らないようにするためにも、まずは失敗は誰もが起こしてしまうもので、周りの人間はその失敗を全力でフォローするといった風潮を築くことが大切であると言えます。
人的なエラーに対して考えるべきこと
失敗は必ず発生します。飲食店であれば料理のオーダーミス、ぶっかけなどお客様にご迷惑をかけてしまうものや、什器を破損させてしまうなど人的なものが多いでしょう。
この時、責任者が考えるべきことは 「これはシステムエラーだ」 と思うことです。
例えばトレンチの使い方が上手くいかない従業員が多く商品提供の際にバランスを崩して料理を落としてしまうということがある場合、「その従業員のトレンチの使い方が下手だから悪い」で片付けてしまうことは簡単ですが、それですとその従業員が上手くなるまで付き添わなければならなくなりますし、別の新人従業員も上手く扱えなければまたそこでトレーニングの必要が出てきてしまいます。
これをシステムエラーと考えると色々と改善策が生まれるのではないでしょうか。「トレンチが滑りやすいので安定性の高いものに変更しよう」とか、「人は隙間があると埋めたくなる(トレンチいっぱいに乗せたくなる)ので小さなものに変えよう」とか、「安全を考慮してトレンチを廃止しワゴンでの配膳にしよう」などです。
このようにな思考を持つことで、人ではなくシステムを変更して根本的な解決に着地します。
そういった思考を持つと、従業員が失敗した時には責任者として「やり辛いシステムでやらせてしまってごめんね。」と声をかけてあげられるようになるでしょう。
こうして失敗に対して許容の大きな組織を作れば、システムやオペレーションの改善も自分一人で考えなくても従業員がアイデアを提供してくれるようになり、よりお客様からも従業員からも愛される店舗作りにも繋がります。
施策が失敗する場合の対応
人的な失敗以外にも、新商品やキャンペーンによる集客が予定通りにいかないといった失敗もあると思います。
この失敗の場合、特に気をつけなければならないことは 「失敗を失敗だと認知しない」 ことです。
目標に全然届いていないにもかかわらず安売りや余計な食材を増やすことは店舗の負担になってしまいます。そうならないように以下に気をつけてください。
- あらかじめ期間、数値で線引きをし、それを店内で共有する
- 期間を迎えた時点で多少でも目標に到達していなければ撤退または改善策を考える
売上に変動がないのに目標設定をしていないがために無駄に継続してしまった場合、安売りによってお客様の印象が変わってしまうこともあります。また、限定商品の場合はレギュラー商品と違う食材を仕入れることで原価や食材管理に影響を及ぼします。
目標を持ち必ずその区切りで評価をし、改善か撤退の判断を行うようにしましょう。
失敗の要因を見つけましょう
失敗は以下のように分類されます。それぞれの原因に合わせて対処することで成功につなげてください。
1、無知
原因:本人の不勉強。
対策:失敗の予防策や既存の解決法を勉強する。
2、不注意
原因:体調不良や過労による、注意力の欠如。
対策:体調不良時は、重大事故につながりかねない作業を中止する。
3、手順の不順守
原因:決められたルールを守らなかった。
対策:作業手順をマニュアル化し、遵守する。
4、誤判断
原因:状況を正しく理解していなかった。判断の基準や、決断プロセスを誤った。
対策:さまざまな状況を想定し、シミュレーションする。
5、調査、検討不足
原因:知識・情報が不足していた。十分な検討を行なわなかった。
対策:失敗が深刻化しないよう、対処方法を事前に考えておく。
6、未知
原因:誰も知らない原因不明の現象に遭遇した。
対策:未知の失敗をむやみに避けず、新たな創造への貴重な糧としてとらえる。
失敗に対するマインド
エジソンは「20000回電球を光らせられなかったが、これを20000回光らせられなかったという発見を行なった」と考えました。
人的なエラーはこのように失敗を失敗だと思わずシステムエラーと捉えることで成功への糧とするのが良いでしょう。
一方で店舗の取り組みに関してはまず失敗を失敗と認めた上で次回に活かす糧とします。
また、店舗運営の中には機器の入れ替えや内装のリニューアルなど大きな決断を求められる場面もあります。こういった時には失敗に対して緊張感を持つ必要があります。そうすることで準備の大切さや成功に対する貪欲さが芽生えるでしょう。
失敗は捉え方次第で必ずあなたの経験の糧になってくれるものです。それはあなた自身も部下に対しても言えること。そのことを忘れずにこれからも失敗と向き合っていただけると嬉しいです。
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